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日本食の歴史-ロサンゼルス編-

爽やかな風が心地良いこの町に、しっかりと根付いた「日本食」の歴史について、ざっとお話しましょう。

ロサンゼルスに日系人社会が出来て、すでに100年以上が経ちます。

 

ロサンゼルス全体では、これまでに様々な事が起きましたが、日本人歌手で初めてアメリカで成功した、坂本九氏のスキヤキソング「上を向いて歩こう」が1961年~1963年にビルボ-ド誌、キャシュッボックス誌共に第一位、ミリオンセラーとなったその頃から、「スキヤキ」が日本食として認知され始めました。それとほぼ同時期に、ロッキー青木氏が始めた「Benihana」の鉄板焼きレストランが、客席の前の鉄板で調理して見せるパフォーマンスで人気を得、「日本食レストラン」が定着し始めました。その後、高度成長時代に日本の技術・文化が世界に認められていく中で、日本の平均寿命が世界一となると、その大きな要因のひとつが食にあると考えられるようになり、「日本食=健康食」との認知が生まれ、1980年11月に映画「将軍」がブームに拍車を掛ける形で、「日本食」についての理解が得られるようになります。

 

メニューの中でもてんぷら、鉄板焼、テリヤキが認知を得ていく中、代表的な日本食のひとつ「寿司」はなかなかアメリカ人には受け入れられませんでした。というのも、もともとアメリカ人は生魚を食べる習慣がなかったからです。しかし、1980年代中盤、肥満が健康上の問題となってくると、肉よりも魚を食べるようになり、健康的な日本食のイメージのもとに、「寿司」が本来の魅力を理解され食文化の一つとしての定着を始めました。本来食は、人間にとって体を作る源であり、生活の大切な潤滑油の役を務めている事を改めて考えます。

 

ヘルシー思考のアメリカ人に、「日本食」の代表である寿司の人気が広がるにはそれ程の時間は掛かりませんでした。特にヘルシー思考の強いハリウッドのセレブリティ達から人気を得始め、寿司バーに座り対面で寿司職人(Sushi Chef)とコミュニケーションが取れるそのスタイル自体が「カッコイイ」という流行を生み出します。いまや、「寿司」は日本食の代表としてアメリカに限らず世界的にも広く知られるほどとなりました。寿司Katsuya(1990年代後半、スタジオシティー)がザガットサーベイで30点満点中28点を獲得し、昼3回転、夜4回転と爆発的にヒットし、

ハリウッド俳優ロバート・デ・ニーロとのタイアップでレストラン松久が世界に飛び出して行ったことも、すでに皆さんもご存知だと思います。

勿論1990年代には、他の「日本食メニュー」も次々と定着を始め、しゃぶしゃぶ、焼き鳥、うどん、そば、そしてラーメンも人気を得るようになりました。 

 

リトル東京は、1890年頃にオープンした「カメ食堂」から始まりました。当時の日本人移民にとって、海を越え遥か遠くの故郷である日本を身近に感じられる数少ない食文化が、「和食」であり、日本人移民にとって心のふるさと、まさにリトル東京は、その原点でございました。

 

現在、アジア系住民については、南カリフォルニアだけで約数100万人を超えると言われています。ダウンタウン・ロサンゼルスで寿司職人の養成学校である「寿司アカデミー」が開校するまでになり、アメリカの食文化の一部として確立された感もあります。今後は、日系のKatsuyaグループ、Sushi Rokuグループ、また大黒屋グループ、新撰組グループ、元気の良い外食産業グループが形成されるまでにもなり、とても明るい未来を感じます。

 

 

今後の新しい日本食の展望としては、すき焼きやしゃぶしゃぶの主役となる日本産高級「Wagyu(和牛)」や、寿司職人が現地アメリカ人の好みに合わせた「おまかせ」日本食がブームの兆しがあります。肉料理に長い歴史を持つ欧米人に対して、日本の高級ブランドとしての和牛ブランドの浸透により、著名人をはじめ多くの日本人経営者が和牛のプロモーション活動を行っております。

 

弊社は、商業物件、レストランビジネス売買等を通じ、今後益々日本の歴史・食文化を世界に伝えていくお手伝いをさせていただきます。

 

(写真提供:Yasu Sushi様)

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